「うわ!もうこんな時間だ!

 そろそろ、次で最後だなー」


陸君が自分の腕時計を確認してうなった。

「え!もうそんな時間かぁー…そういえば陽も傾いてるもんね。」


たっちゃんが沈みかけた夕日を見て残念そうに声をあげる。

真さんも時計を確認して、帰りにかかる時間を計算すると、そろそろ、と提言した。


「じゃあ…やっぱり最後は観覧車、とかかな?」

里奈が夕日の沈む方角を指して言う。


夕焼け色の空に浮かび上がるそのシルエットは、
ゆっくりとした回転を続けている。

お決まり、と言えば、そんな気がしなくもないけれど、


もしかして、この観覧車って・・・





「やっぱり・・・みんなで乗れたりはしないよね。」

“定員4名”と書かれた掲示が私の背中にのしかかってきた。