「遅いよー!!もう食べ始めちゃったからね?」

たっちゃんが私たちを見つけて声を張り上げる。


すでにお弁当は広げられ、ずいぶんと待たせてしまっていたらしい。


「ごめん、ちょっと道に迷って…」


修が私から手を放し、皆の方へと小走りで近づいてゆく。


解放された私の右手は、さびしそうに宙を漂う。


一人取り残された私は、ぽつんと動けずに立ち尽くしてしまっていた。



「みっこ?何してるの、おいで。」


それに気づいた里奈が私に手を振る。


「っ・・あ…うん!!」

私も声を張り上げて皆のところに戻ろうとしたのだが、
進む一歩が


いつもよりも数段に重く感じた。