ちゅっと小気味よい音と共に私から離れてゆくぬくもりが
言い知れぬ開放感をもたらした。
え・・・?
つむってしまっていた目を開けると、すっと離れてゆく修が見えた。
眉尻が下がり、憂いを帯びたその顔は…
どこか寂しさをまとっているように感じさせられた。
けれど、そんな顔も一瞬で、
「そろそろ戻ろっか。」
にっと頬をあげ、笑顔を見せた修は、何事もなかったかのように、私の手を引き寄せ、
ぎゅっと握ると歩き出した。
そんな彼につられるように歩き出した私だったが、
先ほどの行動の余韻なのか、
つながれた手のぬくもりが
気になって仕方がない。
気が付けば、さっきまでいた女の子たちはいつの間にやら、姿を消していた。