そっと修の手が私の頬をなぞった。

優しく、慈しむようなその手は、やんわりと私の顔を持ち上げる。

その時、




「ね!あれっ…やばくない!?」

甲高い女の子の声が聞こえてきた。

「え…なに?こんなとこで…?」



私からはその姿は修の影で見えなかったけれど、

修が振り向きざま、少しだけ、スカートをはいた姿が見える。


「え・・・なに、すっごいイケメンなんだけど…」

「うっそ…ほんと!?・・え?!芸能人?」

一向に立ち去る気配のない女の子たちは

私の存在なんか忘れて、修を見てすっかり盛り上がっていた。

「ね…修、人もいるし、もう行こう…?」


かすれる声を振り絞って私は修の胸を抑える。
心からお願いしたつもりだったのに・・・


「大丈夫・・・ほら、美月…。」

修の答えは違った。