すっと気温が低くなる。 心なしか、喧騒が遠くに聞こえる。 うつむいていた私は、ずいぶんと遠くへ連れてこられてしまったらしい。 「・・・修?ここどこ…?」 顔をあげると、目の前に修の大きな背中が見えた。 ぎゅっとつながれた手に一際力が込められると、 私に視界はぐるりと回った。 「・・・へ?」 背中には冷たい壁の感触。 そして。 目の前には優しい笑みを浮かべる修の顔が迫っていた。