愛弓は、少し下がりながら、倉木の頭に蹴りを入れた。
綺麗なハイキックだった。
倉木は、その場に倒れた。ピクリとも動かない。
子分の5人が慌て倉木の元に集まる。
「失神してやがる。だいたいローキックローキックと来たら次は、ハイキック警戒しなきゃなあ。
愛弓ちゃんの見事な頭脳的な勝利だな。」
「次郎さん、頭脳的って言うよりこいつが馬鹿なだけよ。
キャ!!あ~あ~ハイキックのせいでジーンズのお尻の所が破れちゃった。」
愛弓が大きな声を出した。
「性欲小僧も河田ちゃんも見てもいいけど気づかないように見てよ。」
確かに1日何もしないと股間の当たりがむずむずししたがいちいち言わなきゃ可愛いのにと僕は、思った。
倉木の子分達が倉木を担いで逃げようとしていた。
次郎は、その背中に向かって怒鳴った。
「今度来た時はこんなもんで済むと思うなよ。愛弓ちゃんのハイキックもあれば、和美ちゃんの突っ張りもあるんだからな。」