藤本の表情に驚きと焦りの色が見えた。
僕の気持ちは、冷静だった。
不思議な気分だった。
やれる物ならやって見ろと言う開き直りもあったが恐怖心は、ほとんど無いのは自分自身不思議だった。
僕は、また藤本の懐に飛び込み頭突きを入れた。
藤本がのけ反った。
僕は、すぐにバックして元の位置に戻った。
藤本の目の色が変わった気がした。
ナイフを両手で握り直して低い姿勢を取ろうとした。
僕は、素早く藤本の足元にタックルした。
佐竹に習った高速タックルだった。
藤本の上に乗りナイフを持った腕を掴むと地面に何度も叩きつけた。
藤本の手からナイフが離れた。
僕は、ナイフを掴むと遠くに投げた。
藤本の顔面を何度も殴るとだんだん藤本の身体から力が抜けてくるのが分かった。
藤本は、どうやら失神したようだった。
僕は、手を止めた。