「本当なんですか?」



「知らんよ。

そんなに調子のいい話しがあるとは、思えないがここに、温泉が出るんじゃないかって話しは、昔からあったらしい。


だが徳川埋蔵金がここに、有るって説もあってだんだん怪しい話しが入り乱れたから、本格的に温泉の採掘をやらなかったんじゃないかな。」



「徳川埋蔵金の話しは、聞いた事ある気がする。

だけど、実際に温泉出ちゃったんだからすごいね。」



愛弓が愉快そうに言った。


佐竹が穴の中から声をあげた。



「次郎さん、こりゃすごいかもしれませんよ!」



次郎が穴の中にペンライトを突っ込んみ見ていた。



「佐竹ある程度で止めておけ。

穴が崩れるかもしれないからな。

ある程度までで止めて明日だ。」



佐竹が穴から興奮気味に出て来ると次郎に言った。



「次郎さん、すごいよ!お湯が出てるよ。

こりゃ上手くすれば、次郎さんの怪我もこの温泉で治るかもしれないね。」



「馬鹿野郎!
そんなに簡単に治るなら皆が温泉で治してるよ。

それに俺は、元気だよ。」



皆が、なるべく触れなかった次郎の怪我に佐竹は、思わず触れてしまった。



佐竹は、愛弓に顔面を蹴られた。