時間が経てば少しずつでも、次郎の怪我は、治るだろうが今は、いつどういう状況になるか分からず次郎の怪我の具合を知ってるメンバーにとっては、不安ばかりが増した。
そういう日々が何日か続いた夜だった。
思いもよらぬ事が起こった。
その夜夕食を僕、次郎、愛弓、佐竹で採った後にスコップを片手に次郎が焚き火のそばを離れた。
佐竹は、久しぶりに島に泊まって居て次郎に声を掛けた。
「次郎さん、食後のコーヒーも飲まずにどこに行くんですか?」
次郎は、無言でスコップを持ったまま島の端の方に歩いて行った。
佐竹がすぐに追いかけ僕と愛弓も慌て追いかけた。
次郎は、島の端の山に上がる為に作った道のそばの山肌をポケットから出したペンライトで1度確認し、そこに手を当てるとスコップでそこを、堀り始めた。
佐竹が慌て次郎に言った。
「次郎さん、どうしたんですか?まぁいいや。
ここを掘るんですね。俺がやります。」
佐竹が次郎の身体を思い替わろうとしたが、次郎からはね退けられた。
次郎は、黙々とその場所を堀り続けた。
ザク!ザク!と音が島に響いた。
「純一、お前がナンバー2だ。残りはお前が掘れ。佐竹すまんな。
こういうのは、順番がある気がする。」