付き合って半年が過ぎようとしていた

私たちは異動になり
支社で先輩社員として
忙しい毎日を送っていた


同棲はまだしない

という文哉の頑固な意思で
別々に部屋を借りていた

といっても歩いて5分も
かからないんだけど


私たちが付き合っていることは
支社でもすぐに知れ渡った


「先輩と松下部長、お似合いですね〜♪
なんかキレイめカップルって感じ!」

後輩の常磐さんが言った


『そうかな?』

お世辞だと思いつつも顔はにやけてしまう

「半年なんですよね?
なんか初々しいですもん」

こっちも後輩の速水くん
後輩だけど同い年だ

「てか、松下部長、瀬尾さん見かけたとき
雰囲気柔らかくなりますよね〜
瀬尾さん愛されてんな〜!」


『えへへ』


なーんて言ってるけど
最近文哉がそっけないというか
夜になると必ず追い出されるし
帰ってしまう

仕事終わりにお互いの家に行っても
10時になるとさよなら

やっぱり魔の10時だ