『帰っちゃうの?』


夢のような時間は終わり
気付けばもう家の前だった


『泊まってってよ』

今日はいつもよりわがままになってしまう
文哉は困った顔していた


『帰らないで』

シフトレバーを握る彼の手をそっと掴んだ


文哉は深いため息をついて
ギアをパーキングに入れた


『やった♪』

車から降りてぎゅっと腕にしがみつく
でも相変わらず文哉は困った顔で・・・



『ただいまー♪』


部屋に入るなり
文哉は私をお姫様だっこして
ベッドに降ろした


『きゃあ!
な、何してっ・・・』

口と手を塞がれ
もがいても離してくれなくて

『文哉っ・・・
やっ、やだ!!!!!』


気付くと大声を出していた

「ごめ・・・」

『あ、いや、あたしこそ・・・』


分かってたはずなのに
こんな風に拒否してしまうなんて・・・