「俺、決めたんだ」

『何を?』

「観月を大切にする
誰よりも幸せにする」


私に向けられたまっすぐな瞳に
目が離せなくなる


胸がいっぱいで言葉がでなかったから
こくんと頷いた



夕日に照らされて光るネックレス
幸せすぎて怖いくらいだった




続いて向かった先は
二人で決めたレストラン

海辺にある
小さなイタリアンレストランで
若い夫婦で切り盛りしているらしい


漆喰の外壁はまるで外国を思わせた

木のドアを開けると可愛らしい女の人が
出迎えてくれた

「ご予約の松下様ですね
お待ちしていました」


店内は香ばしい匂いで満たされていた
小さなお店だけど満席で
予約してあった席が
まるであたしたちを
待っていたかのようだった


「ごめんなさいね、うるさくて・・・
友人なの」

「いえ、気にしないでください」


女の人はにこっと笑って
キッチンへ入っていった