「岩場は行くのやめよ」

『なんで?』

すると耳元でささやかれた


『うそっ!?』

「ほんと。観月顔真っ赤〜
可愛いなあ♪」


だってそんなこと聞いたら・・・

『文哉も・・・?』

「それ聞く?!
観月に過去のこと
何も話したくないんだけど?」

『私も聞きたくないからいい』

だいたい想像つくし
社内でも有名だったもん


「あそこにしよ」

文哉が指差した先は海の家だった
もちろん今は営業していない


「うぁー」

文哉は畳の上にゴロンと転がる
私もその横に寝転がった
文哉の方を向くと
そっぽを向かれてしまった


『運転お疲れ様』

背中におでこをくっつける

すると顔を真っ赤にした文哉が
くるっとこっちをみた


「そういうの反則だから!
まじ観月危なっかしいわ・・・」


頭をぐしゃぐしゃとして俯く文哉

『何がよ〜?』

「まあ、今はいいや」

こっちを見つめ私の頭を撫でる