その顔はだんだん
いやーな顔に変わっていって

「もう1回」

『やだ』

「なんだよ〜」


水族館への車中
どちらともなく手を繋いだ

こんなに長い時間は初めてで
文哉の大きな手に
なんだかきゅんとしてしまった



『あれ?チケットは?』


そのまま入り口に向かう文哉
係員さんに2枚チケットを渡していた

『あ、あたしの分払うよ?』

「いーの!今日は誕生日なんだから」


入り口を入るとすぐに
大きな水槽があった


『わあっ!』

色とりどりの魚が優雅に泳ぐ
なんだか自分まで水槽の中にいるような
そんな気分になった

『もうすぐイルカショー始まる!』


私は文哉の手を引いて
イルカプールへと向かった