寂しそうな困った顔をして
文哉は中に入ってきた


「ごめんな、待たせて」

『山岸さんもいたの?』

私は背中を向けたまま尋ねた

「へ?
あー、そういえば居たなあ」

『それに、営業のあの女の子も。
無理して来なくてよかったのに』


ああ、可愛くない
でも寂しかったなんて
恥ずかしくて言えやしない


ドカッと椅子に座って夕飯の続きを食べる

文哉はこっちをみてにやにやしている


『何よ?』

「ヤキモチ妬いてくれたの?」

『別に!!!』


本当は来てくれたことが
すごく嬉しいのに
気持ちを態度に表せない

文哉は向かいに座って
まだにやにやしてる