近くのスーパーで買い物をしていると

「ねぇ、あれ・・・」
「嘘!まじで付き合ってんの?!」
「やばい!麻里子こっちくるよ!!」


私たちは顔を見合せた


『会社の子だね、きっと・・・』

「事務の子達だろ?
気にすんなよ」

そう言って肩を抱き寄せてくれたけど
文哉との差を感じてしまう


「嘘!!!」

目の前に女の子が現れた

見たことある
会社の子だ


「松下さん・・・
あの噂、本当だったんですか?
あたし、この人に負けたんですか?」

今にも泣き出しそうな顔で叫んだ

「ちょっと、高木さん
声でかい・・・」


高木さんとバチっと目が合った
胸まで伸びた髪を綺麗に巻いて
化粧もばっちり
だけど嫌みのない可愛らしさも持っていた

文哉の彼女にふさわしいのは
きっとこんな子


「私、負けないから」

そう吐き捨てると
スーパーを出ていった

あとからさっきの話し声の本人であろう
女の子たちが私を睨み付けて
高木さんの後を追う