すると横山さんは大声で笑いだした

「おんなじこと考えてる!
こないだあいつも同じこと言ってたよ
新入社員入ってから
気が気じゃないみたいで
毎日のように俺に電話してくるんだもん」

『そうだったんだ・・・』

「そういうとこも羨ましい
なんかさ、俺たちだと
お互いまだガキだからか
すぐ喧嘩になっちゃうんだよね
可愛さ余って憎さ百倍みたいな?」

『あはは!
でも、そうやってきちんと
愛情表現が出来るのって
素敵だと思います
私の場合、何も言えなくなっちゃいますから
そのせいで不安にさせてるんですよね
会えない分
言葉にしなきゃ伝わらないのに』

「熊谷の時は特に不安だったみたいだよ
あいつ、瀬尾ちゃんが熊谷のこと
気になってるの知ってたし」

『ああ・・・
だって熊谷亮の外見
どストライクなんです』

「俺が先だっただけで
順番が違えば熊谷亮と付き合ってたって
そう言ってた」


文哉は分かってたんだ
あの時の私のほんの小さな迷いも