しばらく経ったある日のこと

5月に入り
やっと新人研修も一段落
まだまだ教育は必要だけど・・・


「観月っ、顔!」

陽子が怖い顔で指を指す

『へ?』

「ちょっと、やだ!
何コピーしてんのよ!!」


私の前のコピー機は
今日の重役会議の資料を
印刷しているはずなんだけど・・・


『うわっ!!!』

出てきたのは文哉と約束した
温泉のホテルのパンフレット


「見つかったのが私でよかったわね
てゆうか、浮かれすぎなのよ!」

『自分がケンカしてるからって
人の幸せに嫉妬しないでよね〜
素直に謝ればいいのに』

「あたしは悪くない!!」


陽子は息を荒げて部屋を出ていった



陽子と横山さんはケンカしてもう1週間
まあ陽子が話を聞かずに怒ってるだけ
なんだけど・・・


慌てて間違えてコピーされた資料を持って
デスクへ戻る

今度はちゃんと会議の資料を印刷した