「話があるんだ」

私が言えなかった続きを
熊谷亮が言った

『分かった』



私は会社の近くの公園へと急いだ

会いたいから急いでるわけじゃない
このなんとも言えない焦りのような感情を
早くどうにかしたかった


公園に着き、辺りを見回すと
熊谷亮がベンチに座っていた

平日のお昼前
公園には誰もいなかった


「観月!」

私を見つけた熊谷亮が立ち上がる

『下の名前で呼ばないでって
何回言えば分かるの?』

「いいじゃん別に〜」


私は人一人分あけてベンチに座った

『近付いたら容赦しないから』

「ちぇ・・・」

熊谷亮も仕方なさそうにベンチに座った


しばらく沈黙が続く



「昨日は・・・悪かったよ」