「観月ごめん!」

陽子は入ってくるなり私を抱き締めた

「亮にね、頼まれたの
けじめつけたいからって・・・」

『・・何かあるとは思ってたけど
とりあえず、中入りなよ』


ソファに座って私は冷蔵庫から
ジンジャーエールを取り出した


「ありがと」

『いーえ。
それで?どういうこと?』

「観月が支店に異動になってから
亮から相談を受けたの
観月のこと、好きだって
本気なんだって

私ね、今まで亮って
いろんな子に手出してたでしょ?
それに観月のことも
からかう頻度が減ったから
観月のこと別に何とも思ってないって
そう思ってたんだけど・・・

観月がいなくなって
すごくさみしいんだって言われたとき
素直に応援したくなっちゃったのよ」

『陽子はだれの味方なのよっ・・・』

「ごめん・・・
多分、私も観月がいなくなって
寂しかったから・・・
それでだと思う
観月には、松下さんしかいない
分かってたはずなのに」