『ただ・・・
あの二人みてると羨ましくなっちゃう』

「観月・・・」

『ごめんね、変なこと言って』

「俺は言って欲しいよ
観月の気持ちが聞きたい」

『・・・会いたい』

「俺も会いたい」


お互いしばらく会えないのは分かっていた

もうすぐ新人が入ってくる
二人とも新人研修に追われるのは
目に見えている


「落ち着いたら、そっち行くから」

『うん・・・
じゃあ、そろそろ戻るね』

「ああ、また電話する」



電話を切って戻ろうとすると
後ろに熊谷亮がいた

『なっ!!なんでいるのよ!!
まさか、盗み聞き?!』

「だって全く気付かねぇからさ」

『だからって・・・本当最低!!』


戻ろうにも熊谷亮が邪魔をする

『どいて』

「こんなとこに入る観月が悪い」


ここは座敷の前の通路から
少し奥まった観葉植物が置いてあるところ

だから熊谷亮の体に隠れて
私の体は多分他からは見えない