「本当は嬉しいだろ?」

そう言って顔を近付けてくる

『ば、ばか言わないで!!!!』


こいつは知ってるんだ
あたしが嫌いになれないことを


忘れもしない
入社してすぐのこと

「君さ、俺のこと好きでしょ?」


そう自信満々に言ってきたことを


確かに
悔しいけど顔はすっごくタイプ
私の好きな芸能人にそっくりなんだもん

背が高くて、ハーフみたいな濃い目の
はっきりとした顔
そして大きな手に筋肉質な体


好きになってもしょうがないでしょ?
まさしく直球ど真ん中ストライク

そんな人が同僚で配属まで一緒なんて

夢みたいだったのに


その一言で夢は砕けた