本社に戻ってきて1週間が過ぎた

『この資料作ったの誰?』

「はい・・・」

2年目の子が恐る恐る近寄ってくる


『怒られると思ってんなら
最初からこんなもの作んな!!
仕事なめてんの?』

「あ、そんなつもりは・・・」

『写真からだめ
もっと分かりやすいのと差し替えて
あと文章も書き換えること
これじゃあ肝心なことが何か
さっぱり伝わらない
今日中に作りなおして』

「すみませんっ」

その子は急いでデスクに戻っていった


「瀬尾さんこわ・・・」

「松下さんと別れたから
帰ってきたんでしょ?」

「あたしたちに
八つ当たりしないでほしいよね・・・」


ばっちり聞こえてますけど?


『別れたから帰ってきたんじゃなくて
帰らなきゃいけなくなったから
別れたんです
あんたたちのせいみたいなもんでしょ?
無駄口叩いてないで
その使い物にならない脳みそを
少しでも働かせたら?』


私はパソコンから目を離さずに
毒舌を吐いた
しまった
今のは言い過ぎたな・・・

女の子たちは目を見合わせて
デスクに戻る


「ちょっと観月、今のは・・・」

『陽子・・・』