大丈夫、覚悟はできた

『本社に異動になった』

「は?」

私は文哉の腕からするりと抜け出して
隣に座った

『人が足りなくて・・・
社長が戻ってきてほしいだって』

「いつまで?」

『あ、聞くの忘れちゃった・・・』

「そんな急な話!!!
こっちだって観月が必要なんだ!」

『でも!!
支店長が何とかしてくれるみたいだし』

「観月はそれでいいのかよ!?」


良いわけないよ
離れるなんて・・・

『上には逆らえないよ』

「だったら俺も・・・」
『だめ!!!』

大声を出した私に文哉は目を丸くして
驚いていた

『そんなことしたらどうなるか
一番分かってるでしょ?』


文哉は頭をがしがしとかいた



どうしようもないんだよ
誰も悪くない
文哉だって分かってるよね?


『別れよう』