最寄り駅に近付いたところで目を開け
降りる準備をした

バスを降りてマンションへと向かう
マンションの前には
文哉の車が止まっている

予想はしていた
だけど行くあてがあるわけでもなかったので
しょうがなくマンションに入り
部屋まで向かう


『ふぅー・・・』

自分の口からどんな言葉が出るのか
分からなかった
だけど止める気なんてない
今回私は悪くない

『よしっ』

気合を入れてドアを開けると
玄関で文哉が仁王立ちしている

『邪魔。』

そう言って文哉の横を通り抜ける
本当は抱き締めて
ごめんって言ってほしいだけなのに

「なんで勝手なことすんだよ」

『勝手なことしてんのはそっちでしょ。
ここ私の部屋!』

どさっとかばんを降ろしソファに座り込む