『はぁあ!?!!』

ありえない
彼女怒らせといて堂々とナンパ?

文哉はそんなこと出来ないって
分かってるはずなのに
どうしようもない怒りと悔しさが
込み上げてくる


大声を出した私をみんながみつめるけど
そんなことはどうでもよかった

涙をぐっと堪えて店を出る

携帯が文哉からの着信を知らせるけど
出る気なんてさらさらない


だけど勝手に帰るのも気が引けるから
メールだけ送っといた


―――
先帰る

―――

送信ボタンを押して携帯をぱちんと閉じると
涙が込み上げる