封筒に入れた日から一週間がたっていた。



俺は、あのことなんて、忘れていた。


鈴奈のいない毎日でも、何とかやっていけてたから。


♪~♪

いつもこの二週間一度もならなかった携帯が、
鳴っていた。


鈴・・奈??

「Dear 秀樹 From 鈴奈
 お手紙ありがとう。手紙を貰ってから一週間。
 秀樹からの手紙を開けるのが怖くて、引き出しの中に
 封印していたはずなのに、なぜか今日、開けてしまったの。
 秀樹・・・私、考えてみるね。秀樹はそれまで、友達だよ。
 友達だから・・・秀樹先輩って呼ばなきゃっ!!
 じゃあねっ!!秀樹先輩っ♪」


「フッ」

閉ざしていた心の扉が、開いたような感覚だった。

自然に笑みがこぼれたのは、きっと2週間ぶり。

ずっと、作り笑いだった。


秀樹先輩か・・・

よく考えてみれば、鈴奈は後輩なんだよな。


鈴奈、俺、いつまでも返事待ってるから。


秀樹先輩・・・ではなく、


秀樹♪、と笑顔で微笑む鈴奈を心の底から好きです。



俺の好きな人は・・・いったい誰なんだろう。



鈴奈??

春ちゃん??


きっと、俺は・・・どっちがいなくなっても、寂しくなるんだろうな。