そこからまたどれくらい 経ったのだろうか。 私は作業に没頭していて すっかり時計を見るのを 忘れていた。 『杏里?』 聞こえるはずがない声が聞こえた。 そしてゆっくり顔をあげると 『まだ、いたの?』 日向が、いた。