「あと30分で交代か~」
時計を見てため息をつくあたし。
「そんなに受付したいの?」
「したいよ!だって、隣には愛しのダーリンがいるんだし?山下くんがいるなら、ずっと受付でも……」
「俺は早く交代したい」
「なぬ!?」
交代のタイムリミットが近づいてきている。あたしは悲しいのに、山下くんは嬉しいんだね。
「あ!うちのクラスのたこカフェ来てね♪」
「友達のバンド見に行くから無理」
「そ、そんな!あたしの猫耳姿が見れるチャンスなんだよ!?」
「見ても得はない」
「と、得がなければ損もない!」
あたしの向かい側にいた他の生徒が、チラッとこちらを見た。あ、そんなに声大きかったかな?
「まぁ……気が向いたら」
「本当!?来てくれるの?」
「気が向いたら、だ」
「気が向いてね!ちなみに、今日の午後と明日のお昼に来てね♪あたしが全力で接客するよ~!」
はいはい、と上の空であたしの言葉を聞く山下くん。山下くん!どうか来てくれますように!そして一緒に写真が……って写真!?