「えー只今より、第〇回、文化祭を開催いたします!皆さん!文化祭初日、盛り上げていきましょう!」
文化祭実行委員長のうっちー先輩の掛け声に続き、全校生徒が『おう!』の返事と共に拍手を送り、華やかな文化祭が幕を開けた。
あたしは一目散に受付へ。ゾロゾロと生徒が移動をする中、山下くんがこちらへやって来た。
「ココ。山下くんはあたしの隣ね!」
「…………あぁ」
「ついに始まっちゃったよ~文化祭!」
「あ、おはようございます」
はい、スルーです。保護者の方々がいらっしゃったから、悲しいけど仕方ないのです。そしてあたしも、自分の任務を行った。
「おはようございます。本日は来てくださり、ありがとうございます!これ、パンフレットです」
小さい子からお年寄りの方まで、この学校の生徒と繋がりがある人が来るんだ。笑顔で楽しんでもらえるといいな~。
「ふ~一段落ついた!」
お昼前、お客さんの波が少しおさまり、あたしは伸びをした。
「山下くんのお父さんとお母さんも来るの?」
「うん」
「キャ~!それなら未来の花嫁なんですって、ご挨拶しなきゃ!」