「夏生似合ってるよ~!あっ、待って!写真撮るからそのままっ」
あたしは鞄から急いでデジカメを取り出した。夏生は無愛想な顔をしたけど、あたしの笑えないギャグを聞いて、一度だけ笑ったそのチャンスを逃さずにシャッターを切った。
「沙良は午後からだよね」
「うん!午前は受付だから山下くんといられる~♪」
「デレデレしてる暇があるなら手伝いに来な」
嫌です~と言い残して、他のクラスメートのところは足を運んだあたし。みんな可愛くて似合ってる。男子もなかなかキマってるじゃん。
「おう滝沢!俺も撮ってくれよ!」
「はいはい。あっ、お客さんが来たら写真撮影忘れないでね!」
そうそう、もう1つたこカフェの良さを紹介するね。実は、来店してたこ焼きが出来るまでの間、あたし達スタッフと写真撮影ができるって企画も用意したのだ。
もちろん、写真はプリントして来てくれた記念として渡すの。この案を考えたのは、なんと阿木くんなんだよ?ビックリでしょ?
『え~生徒の皆さん、9時から開会式があるので、9時までに体育館に集まるように。繰り返します……』
校内放送が流れて、あたしは夏生と体育館へ移動した。