予想通りだった。切ないけど、それくらいの出来事だったんだ。でも、それくらいの出来事だったけど、あたしの心を動かしたんだよ。
『……落ちた』
あの言葉で、あの山下くんを見て、山下くんへの恋心が芽生えたんだよ。
「それなら、今日のことは覚えていてね!あたしが、山下くんの笑顔にキュンときて、パンフレットを落としちゃったこと!」
だから、忘れたなら無理に思い出さなくても、また新しく記憶してもらえばいい。あたしとの新しい記憶を覚えていて欲しい。
「覚えるまでもないから」
「そんな~!」
「アンタ見たら嫌でも頭に浮かぶ」
そう言って、体育館へ向かって歩き出した山下くん。それって、自然に思い出してくれるってことだよね?うふふっ、やった~!
「それすっごく嬉しいよ~!」
「は?なんで?」
山下くんは本当に、乙女心……いや、あたしの心を理解しようとしないな~。ちょっぴり悲しいや。
そして、受付にパンフレットを揃え、受付の準備はでき、山下くんとの時間が終わっちゃった。でも、明日も一緒にいられる時間があるし、いいっか☆