「もしかして、あたしのこと意識してる!?ひゃっほ~う!」
「……アンタの言うこと、いちいち恥ずいんだよ」
え?
「あー失礼します」
あたしが呆然と立ち尽くしている間に、山下くんは職員室へ入っていった。
ねぇ、今のって……え?意識してるってことだよね?あたしの言う事に対して、何か思ってくれたってことだよね!?
「やばい、嬉し過ぎるよ!山下く~ん!」
我に返ったあたしは、一足遅れて職員室へ入った。
「おぉ、滝沢。山下ならそっちだぞ」
「ありがとうございます!」
もう、先生達からも公認されちゃって☆こりゃ、あたしと付き合っちゃうしかないよね、山下くん!
「アンタはこれもって」
あれれれ?さっきまでの反応とは一転、いつものクールな山下くんに戻っていた。ひと時の夢だったみたい。そして、山下くんとあたしはパンフレットを持って、職員室を後にした。
少し前を歩く山下くんを盗み見。こんなに近くを歩いていられるなんていつぶり?心臓飛び出そうなくらい、脈打ってんだけど!
「いだっ!」
そして、山下くんにみとれていた罰なのか、あたしは壁に激突した。