「そりゃ、山下くんの方が頼りになるだろうけどさ、あたしは一生懸命やってるんだよ~」
ミスメガネが体育館の中に入った後、あたしはポツリと呟いた。
「一生懸命だけど、もう少し力抜けば?」
「へ?」
「アンタ、落ち着きがない」
ズーン。どうしよう、山下くんに思いっきり、自分の短所言われちゃったよ。
「でも、落ち着けるわけないよ。山下くんのこと考えたり、こうして山下くんと話せたり、隣にいるだけでドキドキするんだもん。あたしも大忙しなんだよ!」
「あ、う、そうか」
珍しく、山下くんが動揺していた。
「え?どうしたの、山下くん」
「何もねぇよ。文化祭のパンフレット取りに行く」
「あ!あたしも行く!」
山下くんが立ち上がった後、その後を追うように立ったあたし。
「山下くんどうしたの?あたし、何かまずいこと言った?」
「別に」
「じゃあ、なんでそんなに避けるの!?さっきまでは普通だったのに」
「知るか」
おかしいな。いつもみたいなこと言っただけなのに。変な山下くん。