「俺机出しするから、イス持ってきて」
「一緒には行ってくれないのですか!?」
「時間短縮」
「少しでも山下くんといたいのに~」
「早くして」
「……はい」
山下くんからの指示に逆らうわけが無い。あたしは落ち込みながら、受付係分のイスを取り出した。同じ頃に山下くんも机を持って帰ってきた。
「ねぇ、山下くん」
「なに」
「さっきはありがとうね」
「さっきも聞いた」
「何度も言いたくって。あっ、何かお礼するよ!」
「お礼はいいから、手を動かして」
もう!ミスメガネみたいなこと言うのね。と思っていたら、ミスメガネのご登場。
「あら、滝沢さん。山下くんと同じ係になったのね」
「はい。運命とはこういうものです」
嘘で~す☆こればかりは、うっちー先輩と手を組んで決めたのです。というのは心にしまっておこう。
「分かってるわよね。受付っていうのは……」
「はいはい、学校の顔ですよね。来てくださった方に失礼のないように!って何度も聞きましたよ」
「アナタじゃ心配だから言ってるの。山下くん、よろしくね?」
先生~あたしの方が年上なのに、心配ってどういうことですか!?