ずっと優しいんじゃなくて、たまに優しい。それくらいがあたし達には新鮮でたまらないのかもしれない。



「滝沢ちゃん、告白大会頑張ってね」



「はい!あっ、ちなみに若池先輩達は、どちらから告白を?」



「うふふ、それ聞いちゃう?」



花飾りを手にした若池先輩に、テスト中の照明が当たった。



「実はお互い、告白大会にエントリーしてたの。それで彼の順番が先で……彼からかな」



「両思いだったんですね!キャ~素敵!」



「私も感動しちゃったよ」



告白したら、どんな世界が見えるんだろう。あたしは笑ってる?それとも……?



「私ね、滝沢ちゃんが一生懸命山下くんに、アタックする姿好きなの。だから、応援させてね」



結果がどうであれ、今は少しでも山下くんの視界に映れるように頑張りたい。応援してくれる人のためにも、あたし自身のためにも。



「またリハーサル始まるし、場所移動しようか」



若池先輩の言葉に周りにいた生徒は頷き、立ち上がった。そこで、タイミング良くうっちー先輩が来た。



「滝沢と山下は受付の準備に移れ。それから、照明のことだけど……」



ん?あたしと山下くん呼ばれたよね!?あたしの目はすぐさま山下くんの姿を捉えた。