やっぱりうっちー先輩は意地悪だ。山下くんとあたしを引き離そうとするなんて!だけど、渋々階段を下りてステージへ向かったあたし。
「滝沢ちゃん、ここよろしくね」
若池先輩の天使のような笑みに導かれ、あたしはすかさず彼女の隣へ!
「若池先輩!うっちー先輩のどこを好きになったんですか?」
「うっちー?面白いあだ名ね。そうだなぁ……たまに優しいところ」
「たまに……ですか?」
「うん。普段は優しさなんてないんだけど、ふとした時に優しいの。そこに惚れちゃった」
えへへっと笑う若池先輩の笑顔は、まるで天使のようだ。この笑顔をうっちー先輩は独り占めしてるんだね、このこのっ。
「滝沢ちゃんは?山下くんのどこを好きになったの?」
「あたしですか?」
山下くんの好きなところ、か。いつも冷たくしれてまともに話してくれないし……でも、キュンとさせるし……
「どこっていうのは、ないです。山下くんだから好きなんです」
クールなところも無愛想な顔も、たまに優しいところも……あ!
「若池先輩!あたしも山下くんがたまに優しいと、ぐっときちゃいます!」
「本当?似たような感性してるね、私達」
「はい!」