「ちょっ、これだけ!?ハニーに他に何か言うことはないの~?」
山下くんの背中に叫ぶと、足を止めた山下くんが振り返った。
「誰がハニーだ。声のボリューム抑えて」
そして、里津くんに行くぞ、と声をかけて教室に戻って行ったのだった。
「山下、なかなかやるな」
「ね、手強いのにこの子もやるでしょ」
背後から阿木くんと夏生の声がした。ふんっ、恋はこのくらいがちょうどいいのよ!歯ごたえ?手応え?あった方がいいんだよ。
「でも、来てくれてよかったじゃない」
「うん!これで俄然やる気アップ!阿木くん、とっとと終わらせるよ!」
「あれこれ3日かかってるけどな」
その後、なんとかお昼中に予算等を仕上げた。やはり、恋のパワーは素晴らしい!
「今日のHRは、文化祭の準備にします。予算と他の準備するもののオッケーが出て、発注していたものも届いたので、文化祭の準備を始めます」
それから、たこ焼きカフェ、通称たこカフェの作る組と接客組に分かれて準備したり、合間でダンスも練習したり、ちゃくちゃくと文化祭の準備は進んでいた。