『文化祭で同じ係になれたんだし、また聞いてみれば?』
「しつこくないかな?」
『しつこいのがアンタでしょ』
それはそれは、お褒めの言葉をありがとう。
─────☆
「沙良さんいますか~?」
それは数日後のお昼のことだった。あたしの名前を呼ぶ声がしてドア元を見ると、手を振る里津くんと……無愛想な山下くんがいた。
「阿木くん、一旦ストップ!」
結局まだ終わっていない、準備するものと予算を書く作業のストップを阿木くんに伝えて、一目散に山下くんのところへ。
「山下くんどうしたの!?」
「文化祭のことで」
「一緒に回る気になったんだね!?」
「あ?違うから」
そう言って、山下くんが見せたのは文化祭の準備物を書くプリント。
「委員長に提出するっていうから、沙良さんに出せよって連れてきたんっす!」
「里津くんナイス!」
あたしと里津くんはハイタッチを交わした。
「てことで、はい」
あたしにプリントを渡すなり、スタスタと歩いて行った山下くん。