「もっ、もし時間があったら回ろう!ね!」



「委員長が呼んでる」



山下くんの視線の先には、あたしを見ている頭に角が生やしたうっちー先輩。



「滝沢、やっぱり次からはクラスごとに座ることにする!いいな?」



「そんな!なんで……」



「お前が一番分かってんだろ」



はい。山下くんに夢中過ぎるってことですよね。すみません。この思いだけはセーブが効かないもので。



「滝沢、黒板に今から決めること書いて」



そして、前に出たうっちー先輩につづき、渋々と山下くんの隣から黒板の元へ移動した。振り返って山下くんを見ても、山下くんは窓の方を向いていた。



「えーでは気を取り直して、今から各クラスの模擬店と舞台発表を言ってもらう。1ー1からお願いします」



「はいっ。私達のクラスは……」



それからは、まともな委員会が成立していた。あたしは板書することで精一杯だったけどね。



ちなみに、あたし達のクラスはたこ焼きカフェに決まった。たこ焼きを食べながら、少し休憩が出来るようにって意味を込めてみたの。舞台発表はダンス。いろんな楽曲を組み合わせる予定だ。