本当は、あたしの心の中でも諦められないって分かってた。それでも、その夏生からの後押しが欲しかったんだ。



「よぉし!阿木くんの告白を受けてこよう!」



「だから、文化委員のことだって」



山下くんと葉月のことは、まだ心の中で引っ掛かってるしスッキリしてない。だけど、山下くんは教えてくれた。里津くんも知らない葉月とのことを、あたしだけに教えてくれたんだ。



それだけでも、大きな恋の進歩じゃん。まだまだ押すんだ。山下くんへの思いを、いっぱいい~っぱい届けてやるんだ!



そして、すっかりプラス思考に戻ったあたしは、夏生と一緒に教室へ戻った。



「えぇ!?嘘でしょ!?」



「嘘じゃねーよ。お前、文化祭実行委員の副委員長だって」



教室に帰るなり阿木くんから聞かされた衝撃の事実!副委員長って実行委員長のすぐ下じゃん!?



「で、でもそれって他のクラスの人が……」



「あーその人、ちょうど文化祭の日が、部活の大会と重なるからって変えられたんだって」



「そ、そんなぁ……」



「で、今日の放課後集まりだから」



そして、スタスタと去った阿木くんだった。