「あ、思い出したけど、阿木くんがアンタのこと探してたわ」
「え~?今は告白を受ける気分じゃないんだけどな~?」
「残念。文化委員の集まりだって。そろそろ文化祭の準備もしなくちゃいけないでしょ」
そうだった!文化祭の話し合いとかしなくちゃいけないんだ!
「うぅ~文化祭のことなんか、今は考える余裕ないのに~」
「とりあえず、この昼休みはゆっくりすれば?」
文化委員ってことは山下くんもいる。そりゃ、めちゃくちゃ嬉しいけど、その反面少し戸惑っちゃうな。
「夏生、あたし山下くんに今までどおり、アタックしていいかな?」
こんなに自身をなくすのは久しぶり。でも、それくらい今のあたしには迷いがあった。
「もう諦めたら?山下くんも肩の荷が降りるんじゃない?」
「え?」
「なに、驚いた顔してんの?諦めなよ」
夏生が真っ直ぐにあたしを見る。そんな簡単に諦めなって言われても、あたしは……
「もうバカね。迷うくらいなら、アタックしまくればいいよ。どうせ、諦めんの無理なくせにそんなこと言うんじゃないよ」
そう言った夏生がケラケラ笑った。