「うわ、やったじゃん」



「うんうん!夏生のおかげだよ!ありがとう!」



「沙良の頑張りでしょ。前々からしてたから、テスト前日に寝ちゃっても、頭に入ってたから解けたのよ」



「えへへっ!今から山下くんのところに行っていいかな!?」



「授業中だから。それにまだあと4教科残ってるのよ。気は抜けないでしょ」



そうでした。ショボンとして夏生の机に目を移すと、『99』と書かれたテスト用紙があって、あたしは石化したのだった。



そして、その日に一気にテストが返却され……



「……ミラクルだ」



「ハッハッハ!何とでも言いたまえ!」



あたしは見事、全教科平均点以上を取ることができたのだ!



「だって、数学以外は全部平均点より1点高いだけなんだよ。際度すぎでしょ」



放課後、夏生が呆れながらあたしのテスト用紙を眺める。そうなのです。平均点以上と言っても、全部平均点より1点高いだけというミラクルを起こしてしまったのだ。



「数学は何があったのか不思議」



「あたしもそれ思う!1番苦手な教科なのに!でも、結果オーライだね!」



「オーライ過ぎで何も言えない」