それから数日は平常通り、山下くんに恋のアタックをしたり、夏生とくだらないことで言い合ったりしていた。
「テスト返すぞー」
そしてついに来てしまった、テスト返却!毎晩、お月様を見上げて平均点以上取れていますように!とお願いしていたんだ。
大丈夫!夏生にあれだけ教えてもらったんだし、自分的にも史上最高ってくらい勉強時間を費やしたし。
「滝沢ー」
「はいよっ!」
大きな声で返事をして、先生の元へ向かう。周りの生徒がテストの結果に、上がり下がりしているのがチラついた。
「お前……」
テスト用紙を見ながら先生が呟いた。あぁもう、それ以上何をおっしゃるんですか~?
「滝沢だよな?頑張ったな」
そう言って、返されたテスト用紙に記された点数は『82』
「うっそ!?え!?これ数学でしょ!?あの苦手な数学っしょ!?」
「驚きすぎだ。お前が頑張ったおかげだろ」
席戻れーと先生に言われて、放心状態で自分の席に戻らず、夏生の元へ向かった。
「どうだった……」
「夏生~!初めてこんな点数見たよ!」
そして、バッとテスト用紙を見せた。