「はい、次は滝沢」
「……」
「滝沢!」
「はいい!」
授業中、良い夢見心地だったあたしを起こしたのは、先生♡
「寝てたのか?あ?寝てたな?」
「睡眠時間を削って家の方で勉強をしていたもので。だから、学校で寝させて……」
「バカもん!勉強をするのはいいことだが、今は寝る時間ではない」
「夢見る時間ならいいんですか?」
「滝沢……」
「嘘です!前言撤回です!起きときます!」
いやぁ、危ない危ない!つい口が滑っちゃったよ。ギリギリ居残りを回避できた!
「滝沢、授業が終わったら俺のところに来なさい」
い、居残りは回避できたものの。休み時間が犠牲になってしまった。おかげでみんなの笑いものにもなったし。そしてあたしは拗ねたまま、授業を終えた。
「滝沢お前な、授業態度が悪過ぎる。もう少しどうにかならんかね?」
「今は無理ですね。愛の勝負に挑んでるんで!」
「コラ、お前のことを心配して言ってるんだ。内申点にも響くんだぞ?切り替えってのをきちんとすべきだ。いいな」
はい、と返事をしたら先生は、何かをブツブツ呟きながら歩いて行った。