そして、次の日もまた次の日も、夏生との勉強が続いた。中間テストだから楽チン!って思っていたけど、基礎が頭に入っていないあたしは、たっぷり夏生にしごかれた。
夜も部屋ではなく、あえて人がいるリビングでするようにした。その方が目が覚めるかもしれないからってことで。でも、それはそれで問題が生じた。
「沙良が勉強をしてるわ~」
「明日は雪が降るんじゃないか?」
自分の子どもを小馬鹿にする両親。勉強の様子を覗きこんでは小馬鹿にする、の繰り返し。
「愛のために戦ってるの!邪魔しないでよ?」
その度にあたしは、山下くんを思い浮かべで、勉強への意思を再燃させるのであった。
「夏生……テスト明日だよね?」
「そうだけど、アンタ大丈夫?ちょっとキツくやり過ぎた?」
「そんなことはない!これくらいしないと……愛は芽生えない!」
テスト前日、寝不足と疲労があたしを動かしていた。
「明日と明後日を乗り越えればいいんだ……よね?」
「とりあえずはね。それから結果を待つしかない」
今日がラストスパートなのね!