「……まぁ、わりぃ」
「頭なでなでしてくれたら許す!」
「は?」
「ほらっ、マイヘッドなでなで~」
「しないから」
「ちぇっ。山下くんに頭を撫でてもらうと、勉強というストレスがすぐに無くなっちゃうと思うんだよ~」
「へぇ、そう」
興味無さそうに返事をする山下くん。
「ふんだ!愛のために、平均以上取ってやるんだから見てなさい!」
「はいはい」
そして、山下くんに背を向けて歩き出すあたし。いつだって本気で話してるのに、もうちょっとは耳を傾けてくれてもいいじゃん!
「おい」
山下くんに呼ばれた!と思って、すぐさま振り返ろうとした。すると、頭に重みを感じたんだ。
ポンッ
「これでいいわけ?」
山下くんの不意打ちのなでなで。いや、なでなでというか手を置いただけだけど、何これ何これ嬉しすぎる。体内のアドレナリンが放出してる。
「やだ…………もっと撫でて!」
「無理。じゃ」
お願いをしたものの、もうしてくれなかった。だが!この嬉しい展開を喜ばないわけがない。
「ひゃっほ~う♪」
あたしは教室までスキップで帰った。