「夏生~」
『自分から、メールも電話もしないでってさっき連絡したくせに何よ』
あたしは電話で、夏生へSOSを求めていた。
「勉強を教えてください」
『何よ今更』
「葉月のことを知れるチャンスなの!平均点以上取れば教えてもらえるんだもん!」
『……アンタ、平均以上取ったこと何回あるっけ?』
「夏生ちゃん、それはお口にしないで」
電話口から重たいため息が聞こえる。夏生様、お願いします~!
『……分かった。明日から放課後、図書室で勉強しよう』
「ありがと~う!」
『てことで、数学の○ページとあとは……』
そして、課題を出されてしまった。基礎を少しでもやってこい!とのことだった。しょうがない。あたしのラブが関わってるんだもん!やってやろうじゃんか!
「うわ~眠い……」
次の日。ボーっとしながら家を出た。教科書をあさって調べたりして数学の基礎をして、夜中の2時まで起きていたんだよ。人生で初めてだったんだけど。数式が頭の中をめぐるよ。