「あ、さっきの人だ」



「いつも来てる人でしょ」



終わったのか、ぞろぞろと教室から生徒が出てきて、あたしをチラ見して通り過ぎる。



「沙良さん、派手にしましたね!」



そう言った里津くんにも笑われた。



「で、なに?」



そして、あたしの用がある人物が来た!



「コレ返す!イキナリ奪ってごめんっ。だから、他の女の子の借りないでね!あたしの貸すから!」



「アンタ学年違うし意味ない」



「学年一緒だったら、借りに来る!?」



「なわけないでしょ」



そこは、『そうだな、お前の借りに行くよ』とか言ってくれたらいいのに~!



「用はそれだけ?」



「へ?うん!」



「あ、そう」



なんだか拍子抜けと言う感じの山下くん。



「じゃあ、葉月って女のこと聞いていいの?」



山下くんはこれを聞かれると思ってたんだね。まぁ、もう聞いちゃってるけど★



「いや。よくない」



「里津くんも知らないことだよね?」



「だったら?」



「余計気になるじゃん!」



誰も知らない、山下くんと葉月の関係。