「山下くん!」
そしてまた次の日。今日から学校ってことで、あたしは教室に鞄も置かずに、山下くんのところへ直行した。
「なに」
「は……」
「は?」
葉月と何があったの!?って聞きたいのに、なかなか動かない口。
「はっ、ハッハッハ!山下くんの写真をたくさん現像したの!」
まったく違うことを話してしまった。
「今も持ってるんだけどいる?」
「いらん」
「じゃあ、あたしの写真いる?」
「いらん」
ここでいる~!って言ってくれたら、山ほど写真撮ってプレゼントするのになぁ。って、今はその話じゃなくて!
「けっ、結局さ、体育祭でツーショット撮れなかったね!」
「撮らなかった?」
「撮ってないよ!撮ろうとしたら……」
あっ、山下くんがじろっとあたしの目を見た。
「撮ろうとしたら、あたしの目の前で蚊が飛んでたんだよね~」
なに、その目線は!思いっきり話そらしちゃったじゃん。
「なに、葉月先輩のこと?」
すると、なんとなんと!山下くんの方からその話題を振ってきた。
「は、ハヅキ先輩?」
「どうせ、里津から聞いたんだろ」
はい、図星☆